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境の史跡⑧ 手なし観音 般若院(志鳥)

2018年05月29日 23:55

志鳥の般若院の境内地に正観音立像「手なし観音」の像が安置されている。

像は白木の一本造りで、像高は約88センチ。両手を失っているので「手なし観音」(町指定文化財)と称している。

 観音は、手が要らないということにあやかって、安産の守り本尊として、

広く信仰を集めている。

 伝承によると行基の作と伝えられ、当時、当地の金久保源兵衛(江戸期の名主役の祖)の所有地であった字原山の地は、年中土地が乾燥していることを不思議に思い、永禄年間に土を掘り起こしてみると、土中から手のない「観音像」が現れた。

この像は、鎌倉の重臣岡部六弥太が鎌倉滅亡の際、奥州へ落ちのびる途中に埋めたものと伝えられている。

 岡部六弥太は、武蔵の国の御家人で、源頼朝の武将として(いちの)(たに)の戦い(1184)に参戦し、薩摩守(たいら)忠度(ただのり)を討取と「平家物語」や「源平盛衰記」の軍記物語に記述されている。

                             (文責 郷土史家 中村正己)

 

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